カテゴリー別アーカイブ: バチカン

アマゾン特別シノドス:全体会議3日目

10月10日バチカン放送日本語課の記事より。

アマゾン特別シノドス:全体会議3日目

「アマゾン周辺地域のための特別シノドス」は、3日目の全体会議が行われた。

「アマゾン周辺地域のための特別シノドス」は、10月9日、バチカンのシノドスホールで、3日目の全体会議を行った。

9日午前に行われた第5回全体会議の発表・討議では、アマゾン地域で起きている、資本主義的発展モデルによる自然破壊や、森林火事、社会腐敗、違法な栽培などについて、懸念が示された。

また、アマゾンの孤立先住民を保護し、人権を守るために、教会による国際的な組織を設ける必要が提案された。

アマゾン住民の必要に教会が応えるために、地元の文化や言語を尊重した典礼、既婚者の司祭叙階、信徒の最大の活用などについて、これらの提案を頭から除外することなく、司教らによる注意深い識別が行われることが希望された。

こうした中、多くの神学生らは独身性や貞潔の価値を再発見したいと望んでいる、という意見もあった。教会はこうした神学生たちの望みに対して沈黙することなく、教会の宝である、彼らの心に訴える神学を施し、育成に力を注いで欲しい、との願いが上がった。

女性をテーマにした発表もあり、アマゾンで女性への暴力が広がっていることが報告された。教会生活に女性たちがより参与するよう、宣教に従事する女性信徒の役職を制定してはどうかという意見もあった。

先住民の道徳価値と神学の関係についても発表があり、カトリックの本質的な普遍的価値を先住民的な鍵で再読する必要が指摘された。

同日午後の6回全体会議では、アマゾン地域における麻薬売買の悲劇とその人的・環境的影響などが伝えられた。

また、水力発電所建設による森林破壊や、自然秩序の崩壊の危険などについても報告があった。

司牧問題については、信者たちの信心業の伝統や習慣を大切にすること、宗教的植民地主義から離れた信頼を育む宗教対話やエキュメニズムの必要なども言及された。

10 10月 2019, 19:30
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アマゾン特別シノドス:全体会議2日目

10月9日バチカン放送日本語課の記事より。

アマゾン特別シノドス:全体会議2日目

「アマゾン周辺地域のための特別シノドス」は、2日目に入り、本格的な発表と討議が始まった。

10月8日、「アマゾン周辺地域のための特別シノドス」は、全体会議2日目に入った。

同日、午前と午後にわたり行われた全体会議では、本格的な発表と討議が始まった。

8日午前の第3回全体会議では、アマゾン地域で住民の権利を守る指導者らが犯罪の犠牲となる一方で、国家からは十分な安全が保障されない現実に対し、人権や環境保護の立場から教会のさらなる連帯を訴える意見があった。

また、地下資源の採掘作業の廃棄物による河川の汚染、コカなどの栽培のために伐採される森林の危機に対し、教会は地域の社会・環境を保護するために必要な法整備に叫びを上げるべき、との声が聞かれた。

さらに、失業や暴力、人身取引から逃れるため、アマゾン地域から都会に移民せざるを得ない先住民たちの悲劇についても言及があり、教会が若者たちを保護する必要が説かれた。

遠隔地でのミサにおける司祭の不足について、ある司教らは、共同体の指導者などから既婚者を司祭に叙階する可能性について考察を深める必要を提案する一方、これに対し、このような解決法は司祭を単にミサの執行人としてしまう危険があり、人々が真に必要としているのは、キリスト教生活の師、キリストの現存を具体的に伝える司牧者の存在である、との考えが述べられた。

同日午後の4回全体会議では、アマゾン地域の環境破壊に対し、より国際社会に訴えかける必要、また、先住民や社会運動をより理解するために、耳を傾け、対話することの重要性、などが述べられた。

司牧的テーマでは、先住民の終身助祭の積極的な育成が提案されたほか、司祭不足を解消するために、アマゾン地域だけでなく、カトリック世界全体が今一度、召命問題を真剣に考える必要があるとの意見も出された。

09 10月 2019, 14:47
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アマゾン特別シノドス:全体会議初日

10月8日バチカン放送日本語課の記事より。

アマゾン特別シノドス:全体会議初日

「アマゾン周辺地域のための特別シノドス」は、開会式の翌日から全体会議に入った。

「アマゾン周辺地域のための特別シノドス」は、開会ミサの翌日、10月7日、バチカンのシノドスホールで、全体会議の初日を迎えた。

7日午前の第1回全体会議では、教皇フランシスコの導入の挨拶、同シノドス事務局長、ロレンツォ・バルディッセーリ枢機卿による会議の概要説明、議長を務めるクラウディオ・フンメス枢機卿の基調講話が行われた。

同日午後の第2回全体会議では、最終文書起草メンバー4名、広報委員会メンバー4名が選ばれた。また、現在5名からなる同シノドス事務局メンバー(議長、事務局長、次長、2人の特別次長)に、教皇の任命により新たに3名が加えられることになった。この任命については後日発表される。

人事に関する事項に続き、この第2回全体会議より、参加司教らによる発表と討議が始まった。

この日は、特に、「環境問題における今日の若者たちの積極的な役割」、「企業による水の汲み上げと帯水層汚染による先住民への人権侵害」、「先住民の教会共同体における、典礼とインカルチュレーション」「遠隔地におけるミサや聖体拝領の頻度の問題」などがテーマに挙げられた。

08 10月 2019, 13:56
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「聖霊に導かれ新たな歩みの探求へ」事務局長、シノドスの概要を説明

2019年10月7日バチカン放送日本語課の記事より。

「聖霊に導かれ新たな歩みの探求へ」事務局長、シノドスの概要を説明

「アマゾン周辺地域のための特別シノドス(世界代表司教会議)」について、同会議の事務局長、ロレンツォ・バルディッセーリ枢機卿により概要説明が行われた。

「アマゾン周辺地域のための特別シノドス(世界代表司教会議)」の2日目、10月7日、同会議の事務局長、ロレンツォ・バルディッセーリ枢機卿により、今シノドスの概要説明が行われた。

バルディッセーリ枢機卿はシノドスホールで開かれた全体会議の席で、「聖霊の導きのもと、新しい歩みを求めて、進んでいこうではありませんか」と参加司教らに呼びかけた。

同枢機卿は、「アマゾン、教会と統合的エコロジーのための新たな歩み」をテーマにしたこのシノドスの二つの目的を説明。

一つは、このシノドスが、宣教の地としてのアマゾン地域における、福音のインカルチュレーションのために、その地の文化に適合した方法を見つけて行くという、教会にとっての本来的な挑戦を意味していること。

もう一つは、このシノドスを通して、深刻化しつつある環境問題に、「統合的エコロジー」の観点から答えつつ、この課題と向き合っていくこと、を目的として挙げた。

そして、同シノドスの歩みを方向づけるものは、教皇フランシスコも述べているとおり、「しばしば忘れ去られ、熱帯雨林の危機などによって、安定した未来を見通すことができない、先住民族を始めとしたアマゾンの人々のために、福音宣教のための新しい道を見出す」努力であると話した。

また、バルディッセーリ枢機卿は、この会議はアマゾン周辺という、特定地域をテーマにしたものであるが、実際には普遍の教会全体が関心を寄せるべきものである、と述べ、そのためにも他の大陸・地域の地方教会や教会組織にも参加を広げた、と話した。

同枢機卿は、シノドス参加者の内訳を紹介。

それによれば、全参加司教は、185名。そのうち、世界の7地域の司教協議会から137名。この中で113名はアマゾン周辺地域国の司教たち(アンティル3、ベネズエラ6、コロンビア13、エクアドル7、ブラジル57、ボリビア11、ペルー10、および地域の司教協議会代表)からなる。

教皇庁からは、シノドス評議会のメンバーである13の省・組織の各責任者。修道会の総長連盟から15名。さらに、アマゾンと同様の問題を抱える世界各地から、教皇の指名を受けた司教らがこれに加わる。

シノドス司教のほかに、12名の特別招待者、25名の専門家、アマゾンの16の先住民族からの代表を含めた55名の傍聴者がいる。

07 10月 2019, 17:58
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公開枢機卿会議:教皇、13人の新枢機卿を叙任

2019年10月5日バチカン放送日本語課の記事より。

公開枢機卿会議:教皇、13人の新枢機卿を叙任

教皇フランシスコは、バチカンで開かれた公開枢機卿会議で、13人の新枢機卿を叙任された。

教皇フランシスコは、10月5日、バチカンで公開枢機卿会議を開催、この中で13人の新しい枢機卿の叙任式をとり行われた。

このたび枢機卿に叙任されたのは、コンクラーベ(教皇選挙)の投票権を持つ80歳未満の枢機卿10名、および、投票権を持たない80歳以上の枢機卿3名の、合計13名。

これらの新枢機卿を加え、現在、枢機卿会のメンバーは、128名の有権枢機卿と、97名の非有権枢機卿、合わせて225名となった。

この日叙任された枢機卿の出身大陸・国による内訳は、ヨーロッパ7名(スペイン、ポルトガル、ルクセンブルグ、イタリア、チェコ(旧チェコスロバキア)、英国、リトアニア)、アフリカ3名(コンゴ民主共和国(旧ザイール)、モロッコ、アンゴラ)、中米2名(キューバ、グアテマラ)、アジア1名(インドネシア)。

新枢機卿の一人、ルクセンブルグ大司教のジャン・クロード・オロリッシュ枢機卿(イエズス会)は、日本での長い宣教経験を持ち、上智大学の元副学長を務めていた。

教皇フランシスコによってこのたび新しく枢機卿に任命された人々は以下のとおり。(発表順・敬称略、現職タイトル、出生年、出身国)

 [80歳未満の有権枢機卿]

・ミゲル・アンヘル・アユソ・ギクソット(教皇庁諸宗教対話評議会議長、1952年、スペイン)

・ジョゼ・トレンティーノ・デメンドンサ(バチカン図書館・機密文書館館長、1965年、ポルトガル)

・イグナチウス・スハルヨ・ハルジョアトモジョ(ジャカルタ大司教、1950年、インドネシア)

・ホァン・デ・ラ・カリダ・ガルシア・ロドリゲス(サン・クリストバル・デ・ラ・ハバナ大司教、1948年、キューバ)

・フリドリン・アンボンゴ・ベスング(キンサシャ大司教、1960年、コンゴ民主共和国(旧ザイール))

・ジャン・クロード・オロリッシュ(ルクセンブルク大司教、1958年、ルクセンブルク)

・アルバロ・レオネル・ラマッツィーニ・イメリ(ウエウエテナンゴ司教、1947年、グアテマラ)

・マテオ・ズッピ(ボローニャ大司教、1955年、イタリア)

・クリストバル・ロペス・ロメロ(ラバト(モロッコ)大司教、1952年、スペイン)

・マイケル・チェルニー(教皇庁人間開発のための部署・移住者部門次官補、1946年、チェコ(旧チェコスロバキア))

[80歳以上の枢機卿]

・マイケル・ルイス・フィッツジェラルド(ネプテ名誉名義大司教、1937年、英国)

・シジタス・タンケビチウス(ビリニュス名誉大司教、1938年、リトアニア)

・エウジェニオ・ダル・コルソ(ベンゲラ(アンゴラ)名誉司教、1939年、イタリア)

05 10月 2019, 18:11
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バチカン福音宣教省が”新求道共同体の道”神学院の東京設立計画の見直し決定

バチカン福音宣教省が”新求道共同体の道”神学院の東京設立計画の見直し決定

(2019.7.17  カトリック・あい)

 カトリック東京大司教区の菊地大司教がこのほど、大司教区の信徒あてのお知らせで、バチカンの福音宣教省のフィローニ長官から、同省による「Redemptoris Mater」神学院設立計画について見直しを決めた、との通知を受けたことを明らかにした。

 「お知らせ」によると、アジアにおける福音宣教を目的として「新求道共同体の道(ネオカテクーメナート)の信徒を司祭として養成(同神学院規約3項)」するために、「アジアのためのレデンプトーリス・マーテル神学院」を東京を本拠地として設立し、福音宣教省の直轄運営とするーと同省が昨年夏決定、通知を受けていたが、フィローニ長官から菊地大司教に宛てた6月17日付の書簡で、「教皇様ならびに新求道共同体の道の代表と協議の結果、同計画を見直すことを決定した」との通知を受けた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・

 (「カトリック・あい」解説)

 今回の福音宣教省長官からの”計画見直し”の決定は、同計画の事実上の白紙撤回を意味するとみられる。

 福音宣教省は昨年夏、日本の司教団との事前協議なしに「新求道共同体の道(ネオカテクーメナート)」の司祭を養成する神学院の東京への設置を一方的に通告、さらに神学院の名称を「アジアのためのレデンプトーリス・マーテル神学院」とし、院長、副院長を任命するなど具体的な準備を進めるに至って、日本の司教団の間に大きな物議を醸していた。

 ネオカテクーメナートは1964年にスペイン人信徒、キコ・アルグエイオによって始まった運動。キコは、ジプシーやマドリッドの社会から疎外された人々を対象に、片手にギター、片手に聖書をもって福音宣教を開始。多くの司祭や修道者たちの賛同を得て「共同体」として発展、現在は1万を越える「共同体」が世界各地に存在すると言われる。だが、典礼その他で創始者や共同体の方針、指導を優先する傾向もみられ、英ランカスター教区でそのミサ典礼に規制をかける動きなども出ている。

 日本では、ネオカテクーメナートの神学院が高松教区に設立されていたが、小教区に派遣されたネオカテクーメナート共同体の司祭たちが、独自の司牧を展開し、信徒たちの間に深刻な分裂をもたらした結果、日本の司教団が閉鎖を求め、2009年に閉鎖された。

 閉鎖を求めた理由として当時説明されたのは「現地の司教と東京にいる上長の双方に従属することが、大きな問題」「彼らは、活動している教区の司教に従いたいとは言うものの、それを全く実行していない。とにかく十分でも正当な方法でもない」「権威に関することだけでなく、行なわれるミサの方法にもある。共同体の司祭は、ミサで日本語を使うが聖歌などは異なる。彼らは全てキコ創設者の霊性に従うが、それは私たちの文化は心情からは全くかけ離れている」ということだった、と報道されている。

 さらに、日本の司教団は、ネオカテクーメナートの責任者に対し、活動を5年間停止して、その期間を「日本における活動を反省するためのもの」とし、「5年経過した後に、司教側はネオカテクーメナートと問題の議論を始めたい。私たちは、彼らに立ち去って、二度と戻るな、と言いたいのでは決してない。望ましい形で活動して欲しい。日本語と特に日本文化を学んでほしいのだ」としていた。

 だが、このような求めに対して、当事者であるネオカテクーメナートの責任者やバチカンの福音宣教省から、誠意のある説明が日本の司教団にあった、あるいは突っ込んだ話し合いがされた、とは伝えられていない。そうした中での、一方的ともいえる神学院の再設置は、自身がこの共同体のメンバーと言われる、福音宣教省長官の一方的な”強行”と見られてもしかたがない、との見方も出ていた。

 日本の司教団は今年2月、これまで全国一本だった司祭養成の体制を、東京、福岡2キャンパスからなる一つの「日本カトリック神学院」によるものから、「東京、福岡の二つ東京、大阪両教会管区11教区、長崎教会管区5教区)諸教区共立神学校」という別々の二つの司祭養成の体制に変更することを決め、司祭養成は事実上の「分裂」状態になろうとしている。その中での、バチカン福音宣教省直轄の神学院設立という今回の事態で、小さな日本のカトリック教会共同体は、司祭養成という極めて重要な分野で、三つの体制が乱立し、「日本の一つの教会」の理想からかけ離れ、さらなる危機を迎える可能性がでていたが、少なくとも、新求道共同体の道の神学院設立問題は当面、消えたとみといいだろう。

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世界の飢餓と戦うために連帯と善意が必要、とバチカン訴え

世界の飢餓と戦うために連帯と善意が必要、とバチカン訴え

(2019.7.17 Vatican-news Robin Gomes

「カトリック・あい」HPより

 世界の飢餓人口が2018年に推計8億2000万人に上ったとの国連報告が発表されたのを受けて、バチカンのフェルナンド・チカ・アレラノFAO担当大使がコメントを発表。「人類は、最も貧しい兄弟たちへに義務を十分果たしていない… 飢餓は増え続けており、その数字は極めて危機的だ」と訴えた。

 また、発表された数字は、飢餓の酷さだけでなく、一方で肥満が問題になっていることを示している、とし、世界の成人の6億7200万人、全成人の8人に1人が肥満になっており、栄養不足で苦しむ人が増える一方で、”栄養過多”が増えている問題を指摘。

 こうした現状を変えていくために、国際社会はなすべきことがまだ多くあるにもかかわらず、紛争、経済危機、気候変動などを含む人為的な原因解消に取り組む意思が欠如している、と批判した。

 さらに、大使は、教皇フランシスコがかねて言われているように、世界の飢餓解消のために一人一人の取り組みが求められており、「まず第一に食料を無駄にしないこと、そして、福音書のサマリア人のたとえ話に出てくるラビやレビ人のように、助けを必要としている人々を前に目を閉じ、飢えに苦しむ声を聴こうとせずに、通り過ぎないこと… 小教区、NGO、その他の場で積極的に取り組みがされているが、もっとできることがある」と述べた。

 また大使は、教皇が先月にバチカンでのFAOの会議出席者たちとの会見で「飢餓は、一人の苦しみが皆の苦しみであるがゆえに、どの人にも関わる問題です」と言われたこと、また、世界には食料が過剰な国とアフリカのように不足している国がある現状を踏まえて、水の活用、食料の生産と公正な配分を訴えられたことを取り上げ、「こうした不平等は、本当に残酷なことです」と語った。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

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世界の飢餓人口8億2000万人、一方で肥満者増加続く-国連報告、バチカン対応訴え

世界の飢餓人口8億2000万人、一方で肥満者増加続く-国連報告、バチカン対応訴え

「カトリック・あい」HPより

 2019年7月15日、ニューヨーク – 最新の「世界の食料安全保障と栄養の現状」報告書によると、2018年は推計8億2000万人が十分な食料を得ることができませんでした。これは、2017年推計の8億1100万人から上昇し、世界の飢餓人口は3年連続で増加しています。報告書はこのような状況は、「持続可能な開発目標(SDGs)」の2030年までに「飢餓をゼロに(ゼロハンガー)」を達成するための大きな課題となっていると指摘しています。

 報告書はまた、発育阻害の子どもの数を半減させ、低出生体重児を減らすという目標への歩みは非常に遅く、SDG2の栄養関連ターゲットの達成がさらに危うくなっていると述べています。 同時にこれらの課題に加え、過体重と肥満は世界の全地域で増加しており、特に学齢期の子どもと大人に著しいとしています。 いずれの大陸においても、食料不安に陥る可能性は男性よりも女性のほうが高く、ラテンアメリカでその差が最も顕著です。

 「困難を伴う現在の傾向に対処していくために、私たちは大規模で多様なセクター間の連携をより大胆に行っていく必要があります」と国際連合食糧農業機関(FAO)、国際農業開発基金(IFAD)、国連児童基金(UNICEF)、国連世界食糧計画(国連WFP)、世界保健機関(WHO)の各代表は報告書の共同序文で呼びかけています。 飢餓は、経済成長が遅れている多くの国々で増加していて、特に、中所得国と一次産品貿易に大きく依存する国で顕著です。報告書はまた、飢餓人口が増加している多くの国々では所得格差が拡大していて、貧しく脆弱で社会から疎外されている人々にとって、景気の低迷や悪化に対処することが一層困難な状況となっています。

 国連各機関の代表は、「私たちは、貧しい人々に対して包括的な構造変革を実施する必要があります。それは、経済の脆弱性を低減し、飢餓と食料不安、そしてあらゆる形態の栄養不良に終止符を打つための軌道から外れないよう、人々に焦点をあて、コミュニティを中心に据えたものであるべきです」と述べました。

*アフリカとアジアで遅れる進展

 状況がもっとも厳しいのはアフリカであり、飢餓蔓延率が世界で最も高いです。また、アフリカのどの地域でも飢餓蔓延率がゆっくりと着実に上昇しています。特に東アフリカでは、人口の3分の1に近い人々(30.8%)が栄養不足に苦しんでいます。気候や紛争といった要因に加えて、経済の低迷と景気の悪化が飢餓の増加を助長しています。2011年以降、経済の低迷や停滞によって飢餓が増加している国のうち、半数近くがアフリカ諸国です。

 飢餓人口の最も多い地域はアジア(5億万人以上)、その多くが南アジア諸国に住んでいます。あらゆる形態の栄養不良について、アフリカとアジアの両地域が絶対的な割合を占めており、世界の発育阻害の子ども10人中9人が、消耗症の子ども10人中9人がこの二つの地域に集中しています。南アジアとサハラ以南のアフリカ地域では3人に1人の子どもが発育阻害です。 発育阻害と消耗症の問題に加え、アジアとアフリカは、世界の子どもの肥満人口の75%近くが住んでいる地域でもあります。この原因は、主に不健康な食生活によるものです。

*飢餓を超え

 今年の報告書は新しい指標を導入し、食料不安を複数の要因の重大度によって測定て、中程度および深刻な食料不安の蔓延に関するSDG2の進展をモニタリングしています。この指標は、過去12ヶ月の食料へのアクセスについて直接人々から集めたデータに基づき、「食料不安の体験の尺度(Food Insecurity Experience Scale: FIES)」を用いています。中程度の食料不安を体験している人々は、食料を入手出来る可能性の不確実性に直面しており、摂取する食料の質や量の妥協を強いられています。 同報告書は、20億人以上の人々(大半が低・中所得国に住んでいる)が、安全で栄養のある十分な量の食料への定期的なアクセスが出来ないと推定しています。しかし、食料へのアクセスは高所得国においても問題となっており、北米と欧州に暮らす人々の8%が、安全で栄養のある十分な量の食料への定期的なアクセスが出来ません。 増加し続ける世界人口に対し、持続可能な生産によって健康的な食料を提供するため、フードシステムの大きな変革が求められています。

*主要な数

 2018年の*世界の飢餓人口:8億2160万人(9人に1人)- アジア:5億1390万人- アフリカ:2億5610万人- ラテンアメリカ・カリブ海地域:4250万人 *中程度および深刻な食料不安の人口:20億人(26.4%)*低出生体重児:2050万人(7人に1人)*発育阻害(低身長)の5歳未満児:1億4890万人(21.9%)*消耗症(低体重)の5歳未満児:4950万人(7.3%)*過体重の5歳未満児:4000万人(5.9%)*過体重の学齢期の子ども・若者:3億3800万人*大人の肥満:6億7200万人(13%、大人の8人に1人)

 この報告書は、飢餓の撲滅、食料安全保障の促進、あらゆる形態の栄養不良の根絶を目指している「持続可能な開発目標 (SDGs)」のゴール2、ゼロハンガーへの進捗状況を確認するものでもあります。  2017年版の報告書は、飢餓増加の3つの主要因として紛争、気候、経済停滞を指摘しました。今回出された2018年版の報告書は、食料安全保障と栄養における経済停滞と景気悪化の役割に焦点を当てています。 栄養不足の蔓延率については、以前の報告書との比較は避けるように願います。なぜなら、毎年の報告書発行に際し、遡及修正も含め、データ全体一式が見直され、修正されているからです。このような方法により最新の報告書では、前回の報告書発出以降に入手された新たな情報が反映されています。

 報告書概要はこちらから(英語) http://www.fao.org/state-of-food-security-nutrition/en/  

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

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バチカン人事:新広報局長にマテオ・ブルーニ氏

2019年7月18日バチカン放送日本語課の記事より。

バチカン人事:新広報局長にマテオ・ブルーニ氏

教皇フランシスコは、バチカンの新しい広報局長に、広報局のメディア・オペレーション責任者、マテオ・ブルーニ氏を任命された。

教皇フランシスコは、7月18日、バチカンの新しい広報局長として、マテオ・ブルーニ氏を任命された。

ブルーニ氏は、1976年、英国に生まれた。ローマ大学ラ・サピエンツァ文学部卒業後、2009年より、バチカン広報局勤務。登録担当課のコーディネーターを務める。2013年より、教皇の海外司牧訪問における、報道関係者のためのオーガナイザーおよび引率責任者。2016年、メディア・オペレーションおよび登録担当課責任者。長年にわたり、カトリック教会系の人道援助や高齢者支援の活動に携わってきた。

**********

また、教皇フランシスコは、同日、アレッサンドロ・ジソッティ氏(45)と、セルジョ・チェントファンティ氏(59)を広報省編集局の副編集長に任命した。

ジソッティ氏は、ローマの国連組織の広報に携わった後、2000年、バチカン放送局の編集者となり、2011年より副編集長を務めた。バチカンのメディアの組織改革後、2017年、広報省のソーシャルメディアのコーディネーター、2018年12月からは、グレッグ・ブルク前局長辞職に伴い、暫定広報局長の任にあった。

チェントファンティ氏は、ジャーナリストとしてカトリック系の新聞・雑誌等で活動後、1986年より、バチカン放送局の報道番組に従事、様々なニュース番組の副責任者、責任者を歴任した。2017年から、広報省のマルチメディア編集センターでラジオ番組および「バチカン・ニュース」のコーディネーターを務めていた。

18 7月 2019, 14:58
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バチカン市国:「プラスチック・フリー」を目指して

2019年7月17日バチカン放送日本語課の記事より。

バチカン市国:「プラスチック・フリー」を目指して

バチカンは、市国内で使い捨てプラスチックをなくす目標を設定した。

バチカン市国は、領域内における使い捨てプラスチックの消費を段階的に減らし、

「プラスチック・フリー」を目指す計画を設定した。

バチカンは、環境保全への世界各国の取り組みに足並みを合わせると共に、教皇フランシスコの回勅「ラウダート・シ」が説く統合的エコロジーと環境的回心への招きに従い、市国内での資源回収やリサイクルなど、エコロジー問題に対する関心の向上と実際の行動に努めている。

このたび、バチカン市国で庭園整備と美化・清掃を担当する造園・清掃課は、市国内での使い捨てプラスチック製品の販売を段階的に停止するよう関係局に通達した。

市国内で使い捨てプラスチック製品の在庫が終了するのは、今年末とみられる。

バチカンでは、近年、ごみの分別とリサイクルが進められ、2016年には市国内に特殊ごみ、粗大ごみ専用の収集センターが設けられ、2018年にはセンターの強化により、EUの廃棄物分類に沿った扱いが可能になった。

造園・清掃課の責任者によれば、最もごみの分別回収が難しいのは、大勢の巡礼者であふれる聖ペトロ広場である。幸い、プラスチックに関しては、広場の柱廊に置かれた専用のごみ箱がよく機能しており、そこから毎日およそ10㎏のプラスチックが回収されるという。

また、市国内の生ごみ、バチカン庭園およびカステルガンドルフォ離宮の庭園の剪定や除草作業で発生する枝木や草葉は、堆肥化により、再利用のサイクルができているという。

17 7月 2019, 17:09
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