教皇「見捨てられた病者たちのために祈ろう」

2019年7月10日バチカン放送日本語課の記事より。

教皇「見捨てられた病者たちのために祈ろう」

教皇フランシスコは、「見捨てられ、死ぬがままの状態に置かれた病者たちのために祈りましょう」とツィートされた。

教皇フランシスコは、7月10日、見捨てられ、死に向かう状況に置き去りにされた病者たちのために、ツィートを通し、祈りを呼びかけられた。

このツィートで教皇は、「見捨てられ、死ぬがままの状態に置かれた病者たちのために祈りましょう。一つの社会は、生命が保護される時、その最初から自然の死に至るまで、誰が生きている価値があり、誰が価値がないかを選ばず、すべての生命が守られる時に、人間的な社会とされるのです。医師は命のために奉仕し、命を取りあげるために奉仕するのではありません」と述べている。

教皇の呼びかけは、交通事故で脳に重度の損傷(そんしょう)を受け、10年以上病院で治療を受けていたフランス人男性、ヴァンサン・ランベールさん(42歳)に対し、7月2日より、水分と栄養の補給が停止されている中で行われた。

ランベールさんは、2008年に交通事故で脳に重度の損傷を負い、四肢麻痺(ししまひ)となった。自力呼吸をし、循環機能も維持しており、重度の障害を持っているが、死に直面した状態ではないことから、治療の継続を望む両親側と、それを延命治療の強要であるとする配偶者側との間で、意見の一致を見ず、治療継続か中止かをめぐり、法廷での論争が続いていた。

今年5月20日、長い法廷論争の結果を受け、担当医師らはランベールさんの水分と栄養補給の停止に踏み切ったが、同日の夜、パリ控訴院(こうそいん)は、国連の障害者権利委員会によるこの問題の精査(せいさ)と、その結果の発表が行われるまで、治療の再開を命じた。

しかし、6月28日、フランスの最高裁判所である破棄院(はきいん)は、控訴院のこの判決を無効とした。

この決定は、国連の障害者権利委員会が呼びかけていた、問題の精査(せいさ)のための6か月間の猶予を考慮しないものとなった。

欧州連合も批准している「障害者権利条約」の第25条には、「障害者が障害に基づく差別なしに到達可能な最高水準の健康を享受(きょうじゅ)する権利を有することを認め」、「保健若しくは保健サービス又は食糧及び飲料の提供に関し、障害に基づく差別的な拒否を防止すること」とある。

破棄院の決定後、7月2日より、ランベールさんには、水と栄養が絶たれた状態が続いている。

ランベールさんの両親は、これは死に瀕(ひん)している状態ではない一人の障害者を殺害する行為であると非難している。両親の悲しみは、夫妻を「カトリック原理主義者」と定義し蔑(さげす)む、一部の人々の声により、いっそう深いものになっている。

教皇はランベールさんのために以前からアピールを行ってきた。

ランベールさんの水分と栄養補給の停止が始まり、数時間後にパリ控訴院が治療の再開を命じた5月20日にも、「重い病気の状態にある人々のために祈りましょう。神の贈り物である命を、その初めから自然な死に至るまで、いつも守りましょう。切り捨ての文化に負けてはなりません」とツィートしている。

10 7月 2019, 18:17
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