ヴァンサン・ランベールさん亡くなる、教皇庁「人類にとって一つの敗北」

2019年7月11日バチカン放送日本語課の記事より。

ヴァンサン・ランベールさん亡くなる、教皇庁「人類にとって一つの敗北」

事故で脳に重度の障害を負い、長年病院での治療を受けていたフランス人男性、ヴァンサン・ランベールさん(42歳)は、水分と栄養の補給の停止から9日後、7月11日朝、亡くなった。

2008年、交通事故で脳に重度の損傷を負い、四肢麻痺で10年以上病院で治療を受けていたフランス人男性、ヴァンサン・ランベールさん(42歳)は、入院先のランスの病院で、7月2日から始まった水分と栄養の補給の停止の結果、9日後、7月11日午前8時24分に亡くなった。

ランベールさんの病状をめぐっては、「最小意識状態」であり、治療の継続が必要、という両親の見解と、「慢性的植物状態」であり、延命処置は本人の意に沿わない、という配偶者の見解が対立していた。ランベールさんは、本人の意思を表明するものを残していなかった。

ランベールさんに対する延命治療の是非を問い、長い法廷論争が繰り広げられたが、6月28日、フランスの最高裁判所である破棄院の決定によって、治療停止が可能となった。これを受け、7月2日、担当医師団らは、ランベールさんへの水分・栄養補給を停止した。

これまでランベールさんのために生命の保護を呼びかけてきた教皇フランシスコは、水と栄養を絶たれ、死に面したランベールさんを念頭に、7月10日、「見捨てられ、死ぬがままの状態に置かれた病者たちのために祈りましょう。一つの社会は、生命が保護される時、その最初から自然の死に至るまで、誰が生きている価値があり、誰が価値がないかを選ばず、すべての生命が守られる時に、人間的な社会とされるのです。医師は命のために奉仕し、命を取り去るために奉仕するのではありません」とツィートされた。

7月11日午前、ランベールさんの訃報に接し、教皇庁立生命アカデミー(議長:ヴィンチェンツォ・パリア大司教)は、「ヴァンサン・ランベールさんの家族と、医師団、そしてすべての関係者のために祈ります。ヴァンサン・ランベールさんの死とそのストーリーは、わたしたち人類にとって、一つの敗北です」とツィートした。

また、バチカンのアレッサンドロ・ジソッティ暫定広報局長は、次のような声明を発表した。

「ヴァンサン・ランベールさんの訃報をわたしたちは悲しみをもって受け取りました。主がランベールさんを迎え入れてくださるよう祈ると共に、最後まで彼に愛と献身をもって寄り添った、家族の方々をはじめすべての人々に精神的一致を表明します。この痛ましいケースをめぐり、考えを示されてきた教皇の次の言葉をわたしたちは思い起こし、強調したいと思います。『生命の最初から自然の死に至るまで、命の主は神だけです。命を守るためにできる限りのことをするのは、わたしたちの義務です。切り捨ての文化に屈してはなりません』」。

11 7月 2019, 12:15
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